義兄弟

静岡シネ・ギャラリーで『義兄弟』を観る。初めてだった、45席って狭いなあ。椅子の前後の幅も狭い。映画が始まってしまえば気にならないのだが。

南北ドラマということで、『シュリ』『JSA』と比較がされているようだが、なんで『クロッシング』が入らないのだろうか。ソン・ガンホが出演していなからかな。この3つを含めて単純に完成度を比較すると、『シュリ』<『義兄弟』<『JSA』<『クロッシング』となる。『シュリ』以上『JSA』以下だけど、『JSA』と『義兄弟』との差は大きい。

とは言え、面白くないわけではない。ソン・ガンホの魅力はわからないが、カン・ドンウォンの高貴な雰囲気にはまいりましたよ。似たような雰囲気の甥っ子がいますが、実にいい。実にいいけど、北朝鮮から潜入している工作員らしくない。

シリアスだけではなくドタバタ的なところも多くあり、全体の作りはエンターテイメント。なんとか見せ場をつくろうと努力をしている所はあるが、でも泣けないし、笑えない。ましてはハラハラもしない。そういった意味では、劇的な感動がない。南北ドラマと言いながら、全然北のことを描いていない。拍子抜けなんだよなあ。『JSA』や『クロッシング』の完成度が高すぎるので、これらと比較するはかわいそうか。

最後に作り込みという部分で一つ苦言を言わせてもらえば、拳銃を撃ったときにはリボルバー以外は、ブローバックして薬莢が飛び出てもらわないと。玩具ぽくて興ざめ。