TSUNAMI

楽しみにしていた映画『TSUNAMI(ツナミ)』を、やっと観ることができた。ららぽーと磐田のTOHO CINEMAS、ここのスクリーンは始めて。

で、この『TSUNAMI』なんだけど、せっかくの韓国の映画なのに、日本語吹き替え版しか上映していない。いや、正確に言えば、字幕での上映は全国で2カ所だけという無茶な企画。どうなっているんだよ。しかも<超>日本語吹替版と大々的に宣伝している代物。韓国語の魅力の一つである感情激しい発音で観ることが出来ないのが悲しい。

過去に書籍に超訳というのがあったよね、シドニー・シェルダンの『ゲームの達人』が最初。最近では『ニーチェの言葉』なんて本が売れている。オリジナルの文章を言い換えてしまう、意訳以上の著作権侵害じゃないかと思えるほどの、改変。ヲレ、こういうの、絶対読まねーと誓っているのだけれど、こいつらが映画の世界まで入り込んできたのは驚きだ。ああ、しつこいがこの件、誠に悲しい事態だ。今後、映画界全体がこういう流れにならないことを祈る。

とにかく吹替の声優と演出が問題で、登場事物との印象との差が大きい。特に主人公(ソル・ギョンク)の声、違うんだよなあ。「メガ津波」という言い方もダサダサで、聞いていて恥ずかしい。「メガ牛丼」とか「メガ盛り」を思い出してしまうよ。

それにしても、この映画にアカデミックなところを求めてはいけない。理屈抜きで楽しむ映画の代表的なもの。みんなでワイワイと楽しむのが、正しいのかもしれない。たくさんの伏線があって、それらをしつこく回収、追い求めていくくどい展開が楽しい。むちゃくちゃだけど、最後には許せてしまうくらいの満足感が得られる。

CGもいいね。アカデミックな考証は別として、映像的にはアジアの映画とは思えない完成度。迫力あり。コンテナ船がすばらしい。橋の上のシーン。全然ストーリと関係ないけど、大災害のシーンなのに、思わず笑ってしまった。エンターテイメントとして本当に楽しませてくれる。

ビックリしたのは、エンドロールで流れるエンディング曲がAKB48だったということ。日本語かい。DVDが出たらオリジナル版でもう一度、観てみたい。でも、たぶん、映画館ならではの大画面の迫力はない。残念だなあ。久々の過呼吸にならない映画。