告白

東京スカイツリーを見に行く途中、有楽町で急に思い立って、映画『告白』を観ることにした。予告放映中に飛び込む。指定でなかったので良かった。

ヲレは、原作の湊かなえ著『告白』をほぼ1年前に読んでいるので、細かい部分を忘れつつも全体の展開は覚えているという状態で映画に臨んだ。したがって、ストーリに把握に気をとられることなく、映像に集中することができた。まあ、逆にこの形態の小説をどう映像するんだというところが気になるところ。

それにしても、上手い。時が進むにつれて巧みに仕込まれた伏線が絡み合い、事件の全容が明らかになってくる。展開は小説と同じだが、細部に手を加えてある。おまけに、知らぬ間に刷り込まれる気怠い音楽、激しいノイズ、サム・ペキンパーばりのスローモーションと大写し、静寂、短いカットなど、映像・音響による小洒落た演出がストーリを盛り上げる。すばらしいではないか。

子供たちの演技もすごい。犯人AとB、彼らの実生活の中でこの配役がトラウマになってしまわないかと心配になる。それほどの狂気を感じる演技だ。橋本愛が演じる委員長(北原美月)もいいね。目の奥に神秘を感じのモノの見つめ方、これ怖い。その他大勢の生徒も手抜きが無い。すごいね、この集団演技。教室でのダンスももっと見たかった。

ウェルテルも適役だし、犯人Bの母親も迫力ある演技。

唯一、松たか子は、ヲレ、ダメだわー。声が聞きにくいし、何とも言えないアンバランスなお顔が好きくない。凄さを感じないのだよな。

ヲレ、映画終わったとき、過呼吸を心配したほど集中してた。周りを見ても、エンドロール時、誰も席を立たず、話し声もなく、奇妙な静けさ。前知識なしだと、後味の悪さと映像効果でショック受けるよなあとあらためて感じた。まあ、しつこいがすごい映画。