無理

安定して良書を書き続けている奥田英朗の新作だが、Amazonマーケットプレイスで手に入れる。給与が減額となるので、もはや新刊を買う余力なし。

無理

無理

なるほど『無理』というタイトルがピッタシの展開。543ページの大本なのだけれど、一気に読ませる奥田の筆力はさすがと言える。

けれども、読後感は良くない。登場人物みんなの無理が祟ってあの終結。これでは、いたしかたないか。まさに今の世相を暗示している。まったく夢のないストーリであるが、鳩山不況の中、あまりにもノー天気なものばかり読んでいてもかえって空しくなるので、たまにはこういうのを読んで現実を感じてみるのも一興。

この小説を読んで一つ良かったなあと思ったこと。それは、この小説の舞台は冷蔵庫のような北海道の地方都市なんだけど、ヲレの住んでいる所は雪のない温暖な静岡県。この点はありがたいと感じるところ。