その日のまえに

この小説には、参った。恥ずかしながら号泣。これは堪らない。

重松清はヲレと同年代。小説の中に出てくる登場人物も同年代で、夫婦に二人の子供、重松もヲレも同じだ。尊敬している人が岡本太郎ってのまで同じ。感情移入しないわけがない。同居人や子供達の姿を思い浮かべながら読んでしまう。ほんと、ほんと、堪らない。

その日のまえに

その日のまえに

「その日」とは死を迎える日。どうしても自分の身に置き換えてしまう。巧みな構成と文章力、読者を感情移入させる筆力には脱帽だ。あまり小説の再読はしない方だが、この小説に限れば、おそらく将来、何度か読み返すことになるかもしれない。その日が我が身や家族に降りかかったときには、思い出すだろう、この本を。

昨年、父を亡くし、もうすぐ一年。1年前のその日が昨日のことに感じた。激しく良書。ヲレと同年代、もしくはそれ以下の方々、借金をしても読め!