ワルキューレ

ヒトラー暗殺計画が題材。ヒトラー暗殺計画は、実際に沢山企てられたが、その中でも最も大規模だったのがワルキューレ計画。

スピルバーグ監督の『シンドラーのリスト』では、オスカー・シンドラーを英雄として描いているが、この『ワルキューレ』では反ナチス行動の中で未だに英雄扱いがされるこの実行者たちを単なる失敗者程度に描かれている。したがって感動は薄い。

確かにスピード感・緊張感がある展開であったが、反面、説明不足で知識がないと細部が意味不明になってしまっている。

おまけに主演のトム・クルーズがダメダメ。ドイツ人らしくないし、ドイツ人将校のような冷徹さがない。アニメのような表情は、折角の壮大なストーリを安っぽくしてしまっている。だいたいが、ドイツ軍だけの中のストーリなのに、全員英語しか話さないことが興ざめ。もっと拘ってもらいたいな。

結果が判ってしまうが、この映画の場合、ウィキペディアの「ヒトラー暗殺計画」を読んでおいた方が楽しめるだろう。かなり詳しく書かれている。

ヲレの年代だと、「ワルキューレ」と言えば『地獄の黙示録』の「ワルキューレの騎行」でベトナム戦争になるわけだけど、そういった意味ではちょっと新鮮だったかな。