人工水晶体

LASIK(レーシック)手術を受ける前に再読。購入したのは、昭和61年頃か。珍しく再読を定期的に繰り返している本。ヲレは、この吉行淳之介という作家の体質と共通する部分が多々あって、この本もそういった意味でとても共感が持てる。

吉行淳之介が亡くなって、既に15年ほど経つ。詩人の吉行エイスケを父に持つ。このエイスケは、NHK連続テレビ小説で大ヒットした「あぐり」の主人公、吉行あぐりの夫。淳之介の妹に、女優の吉行和子、詩人の吉行理恵がいる。ねむの木学園の宮城まり子は、事実上の伴侶。麻雀が強くて、優男で、女性遍歴激しく、芸術的で繊細な小説を書く。憧れだなあ。

この本では、白内障になった著者が、最終的に手術により人工水晶体を入れるまでの経緯を書いている。レーザー治療など無い時代だ。目に刃物を入れるという恐怖と不安、医学の進歩を待ちながら何年もの間、悩み、結局手術をするのだ。この本からは、ヲレがレーシックを受けるに当たって、少し勇気を貰った。