ぼくの心をなおしてください

ヲレの原田宗典デビューは『スメル男』で、その当時、コイツは面白いと確信した記憶がある。その後、エッセイばかりで息が長い割には飛ばず吹かず。小説については『平成トム・ソーヤー』は読んだが、それ以外話題になるような傑作はなく、身辺のことを書き綴ったエッセイばかり目立った。大体作家がエッセイを書き始めたらネタ切れ、才能切れみたいが印象があるわけで、魅力がグンッと下がる。

大丈夫なのかなと思っていると、あるとき、やっぱり躁うつ病になったとのことを知る。やっぱりなあ、大変だよなあ、と人ごとながら心配になる。この本は、その躁うつ病について対談形式で対処法などを述べているのだが、まあ、相も変わらずつまらない。真面目すぎるのかな、この人。

ヲレや読者も知りたいのは、著者が躁うつ病になった経緯や経過などで、そういうことはお構いなしで真面目に病気のことを精神科医と一緒に語られても何にも面白くない。もっとも、ヲレは躁うつ病でもないのでこういった知識は必要がないが、世の中にはたくさん悩んでいる人がいるわけで、そういう人たちには初期の段階ではこの程度の知識は必要になるのかもしれない。