まず「書いてみる」生活

鷲田小彌太は、学者なのに素人にも判りやすい文章を書くので、ついつい手に取ってしまう。

まず「書いてみる」生活―「読書」だけではもったいない (祥伝社新書)

まず「書いてみる」生活―「読書」だけではもったいない (祥伝社新書)

執筆のための奥義書として、書くための環境、心構え、ちょっとしたコツを述べている。あまり自分には関係ないかなあと思いながら読んでみたが、共感できるところが多く、珍しく納得しながら楽しめた。ブックオフ105円(定価760円)、価格相応のものはあったと満足度80%かな。

序章の中に「読書が趣味というのは、恥ずかしい」という項がある。これは、そうなのだよなあと思う。ヲレは履歴書の趣味欄に「読書」とは書いたことはない。メシやクソと同じで生理現象ではないけど読書は生活の一部であって、趣味というカテゴリに入れるべきではないと。

履歴書に書く趣味って、「他の人とは違って私はこういう面があります」と主張することだと思うのだが、そこにあえて「趣味:読書」と記載するのは、自分が本を読むことは特別なこと(裏を返せばあまり読まない)と考えているか、他に趣味がないということじゃないかと勘ぐってしまう。当たり前の生活習慣である「趣味:新聞」とか「趣味:インターネット」と書くくらい同じくらい恥ずかしいのではないか。

鷲田小彌太曰く

ただし、「読書が趣味」を否定するために、これをいうのではありません。「趣味の読書」、これこそ読書の読書たるゆえんでしょう。楽しむ、たんに時間を浪費するために読書をする、私などは、これが読書の神髄だと思います。

なるほど。

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