夜明けの街で

著者の東野圭吾は、1985年『放課後』で江戸川乱歩賞受賞しデビュー。なんども書くが『放課後』は誠に後味の悪い小説で、その後もヲレの読む東野圭吾の本は皆読後感が良くないものが多い。巧みで面白いのであるが。

ブックオフで購入。(1600円×0.5+50円)÷2という計算式で425円。定価1600円の1/2に50円加えた額が標準値付けで、今回は単行本半額セールだったということ。ブックオフは貴重本であろうが、その本が傑作小説であろうが、値段の付け方は画一的で芸無し。手に入るものであれば、新刊書店で購入するのはもったいない。

さて、『夜明けの街で』であるが、殺人事件とその容疑者との不倫がテーマで、時効というタイムリミットと不倫の結末をうまくかみ合わせ、緊張感を出している。うまい設定だ。あるアイデアをもったいぶりながら最後まで引っ張る手法は少しイライラするが、結果として結末が面白いのでまあ許せる範囲か。

いまだこのレベルを維持できるのは、さすが東野圭吾だ。

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