偽善エコロジー

著者の武田邦彦の書籍では『「リサイクル」してはいけない』が有名で、確か読んだことがあるなあと書棚を探したら、『「リサイクル」汚染列島』が見つかった。

詳細は記憶にないが、「環境負荷の少ないゴミ所の処理方法としては、ゴミの発生源からなるべく近いところで焼却処分をするが最適である」という考えには納得したものだ。

今回読んだ『偽善エコロジー』もリサイクルとかエコ生活のを否定したもので、これを偽善と明言している。企業の金儲けと環境省の省益にまみれたエコ事業・商品に騙されるな!と。世の中のエコ生活をしなければ貴方は悪人だみたいな風潮にはうんざりなのだが、そういう意味ではかなり小気味よい論調だ。

偽善エコロジー―「環境生活」が地球を破壊する (幻冬舎新書)

偽善エコロジー―「環境生活」が地球を破壊する (幻冬舎新書)

とにかく否定しまくりだ。ざっと掲げてみると、

  • 狂牛病は危なくない。
  • 生ゴミを対比にするのは危険だ。
  • プラスチックのリサイクルはダメ。
  • 古紙のリサイクルは良くない。
  • 紙を使っても森林は破壊されない。
  • 牛乳パックのリサイクルは意味がない。
  • ペットボトル・空き瓶・食品トレイのリサイクルはよくない。
  • ゴミの分別は意味がない。

などなど。うーん、ぜんぜんダメじゃん。それぞれ指摘されれば理解できるが、やはり根拠となるデータが問題なんだろうと思う。リサイクル推進派もリサイクル否定派も、情報が曖昧すぎて何を信じて良いのか判らないというのが本当のところ。ただし、盲目的に環境という小気味よい言葉を単純に信じてそれを主張し続けるのはいかがなものかと思う。根拠が明確でないのであれば、疑ってかかるのも一つの手段だ。

そういった意味では、著者の主張は非常に参考になる。いろいろな意味で間接的にもエコ生活に関わっているし、かなりまじめにリサイクルには取り組んでいるので、しっかりと考えていきたいところだ。