走ル
『サクリファイス』で感動したので、自転車に関係する本をまとめ買いした。
『自転車三昧』以外は小説。今は『男たちは北へ』を読んでいる。面白いぞ。それに比べこの『走ル』はなんだ!
部活の途中、ジュースを買いに自転車(ロードレーサーのビアンキ)で出かけて、そのまま東京から青森まで当てもなく走り続けるという内容であるが、なんというか、ただそれだけ。そこになんの感動もない。著者は、どうしてそこにドラマを求めないのか。
ただ、走っているというだけで、主人公は女々しいし、携帯には依存しているし、嘘つき・裏切りばかりで、まったく青春というすがすがしさはない。読んでいてイライラするのだ。彼女の財布からお金を盗んだという藤崎マーケットの藤原時と同じような不愉快さだ。
文章も稚拙であるし、ストーリの展開など細かいところで矛盾が多い。本当に文藝賞作家なの?読んではいけない。