効率が10倍アップする新・知的生産術

副題は「自分をグーグル化する方法」で、どちらかといえばこの副題の方がインパクトが強い。新鮮で面白い発想だと思う。グーグルを上回る知的生産性をつけるかが効率化のポイントとする崇高さがたくましい。

もう説明不要の売り上げを記録している本書であるが、売れるだけの理由がある。まずは、どこから読んでも判りやすいシンプルさ。そして、実践に基づく説得力と具体性、最後にこれでなければ駄目だという強制力を排除した柔軟性であろうか。

読んでいて思ったのは、それぞれの環境の中で出来ることと出来ないことがある中で、著者が力説する多くの手法や考え方はすべての人に当てはまるものではないと言うこと。したがって、どこからでも出来ることから取り入れて実践していくことが必要で、その辺の許容範囲というか遊びというか、そういうところを許してくれるような柔軟性が求められるのでは。

この本の構成もデザインも著者の主張も、この柔軟性を考慮したものとなっている。著者は実際ハイクラスの人だが、そんなことを押しつけるような感じがしないところが、受け入れやすいのだ。