パラダイス・ナウ

イスラエル占領地のヨルダン川西岸ナブルスに住む青年二人が、テルアビブで自爆攻撃を命じられ、 決行までの48時間の心の葛藤を描いたもの。すさまじいリアルさで、映画となったこと事態が奇跡ではないかと驚く。

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いよいよ俺たちの番だ!と喜び、親にも恋人にも告げず、爆弾を腹に巻き、犯行声明を録画する。理解しがたい自爆攻撃もこうして正当化され実行されていくかと知るが、映画の中では占領する方もされる方は、殺す者と殺される者それぞれで同罪であると善悪を結論づけていない。

恋人の女性が、モラルに訴える、悪いことを知らしめることが最も有効な攻撃であるとテルアビルに向かう二人を説得するが、この正論が虚しく聞こえるほど、パレスチナ問題の深刻さが画面から迫ってくる。

撮影は、パレスチナ暫定自治区のヨルダン川西岸地区の町ナブルスで行われており、あまりにのリアルさにドキュメンタリーではないかと疑いたくなるほどの生々しさだ。ちなみに、ナブルスの現在の状況は、映画撮影時よりさらにひどく、ロケット弾が飛び交い、市民が射撃されており、市民の移動の自由もないらしい。

ちなみに自爆テロと自爆攻撃の表記について、オフィシャルサイトに記載されている。