指揮官たちの特攻 城山三郎著

その昔、『男子の本懐』を読んだ以降、ファンになった城山三郎であるが、残念ながらこの本に関しては、つらいものがあった。第二次大戦を描いた書籍についてはそれなりの数を読んでいるつもりであるし、興味を持っている。しかしながら、全体の構成の問題であろうが、どうにもわかりにくい。著者の積年の思いが詰まっているということであるが、その思いが選考しすぎたのではないか。
この本はドキュメントであるが、NHK特集あたりで見れば感動するのであろう。大変失礼な話であるが、巻末の澤地久枝の解説がとても良い。作者の思いは、この解説に凝縮されているようだ。
戦後50年以上経つのでかなり風化してきている過去の事実、この本は、そういったものの忘れてはならい記録として大変価値のあるものであろうということは理解する。お勧め度:60/100。


指揮官たちの特攻―幸福は花びらのごとく (新潮文庫)

指揮官たちの特攻―幸福は花びらのごとく (新潮文庫)